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『トンボの眼』バックナンバー

No.19 2010年6・7・8月号
ベトナムの「人の住む文化遺産」の魅力

友田博通  昭和女子大学国際文化研究所

■鄙びたベトナムの魅力を味わおう

ホイアン

 今は大分落ち着いてきたが、チョッと前のベトナムは、道に人が生き生きと溢れアクティブに動き回るところに魅力があった。オートバイの大渋滞をTVで再三見せられた方も多いと思う。あの、日本が忘れた活気も確かに魅力的だが。

 私が初めてベトナムに入ったのは1992年。アメリカの経済封鎖と共産圏の崩壊で、ベトナムは静かな眠りの中にあった。フランス人老オーナーのカフェバー「グスタフ」は物憂げなハノイオペラ通りの華、落ち着いた鄙びたフランス。大正ロマンを感じさせる前近代のハノイ、郊外に出れば江戸時代をも彷彿とさせる伝統農家群。それらはあたかもタイムカプセルのように私を異次元の世界に連れ去る。鄙びた落ち着いた雰囲気のベトナムの人々は、伝統文化を後世に伝えていけそうな、そんな気がした。

■日越交流のシンボル・元日本人町ホイアン

ドンラム

 最初の仕事はホイアンの町並み保存。16世紀後半、ベトナムの出島ホイアンは、西洋と東洋の中継貿易港となり、ご朱印船が最も多く通った港でもあった。100年を遥かに超える古い町並み。家の中に入ると空が透けて見える家が何軒もあった。とりあえず、企業等の寄付と文化庁の文化財保存ボランティアにより、多くの家屋を修復、その中で修復技術や保存行政を現地に伝えた。

 99年、ホイアンは世界遺産に登録され、2003年、日越国交樹立30周年第1回ホイアン国際フェスティバル、08年、宮中晩餐会での天皇陛下のお言葉と、ホイアンは日越交流のシンボルとなった。そして今や観光客が年間100万人を数えるベトナム有数の観光地となり、ホイアン国際フェスティバルも本年で第8回を数える。

■ベトナムの心・懐かしい4つの農村集落風景

フクティック

 日本の心は何だろうか。広大な水田と里山、山際に並ぶ茅葺き屋根。懐かしさがこみあげてくる。

 ベトナムは、農村共産主義の助け合い思想を基本とした国家だ。01年、ドムオイ共産党書記長は「農村集落を生きたまま保存し、近代産業化後もその根本精神を後世に伝えよう」と講演する。これを受けたベトナム政府の要請により、私たちは北部ドンラム、中部フクティック、南部フーホイ、メコン流域カイベイの農村集落保存に協力している。

 ベトナムは3つの国に分かれていると言われる。北部は、漢の武帝以降約1000年の間、中国の支配下にあり漢民族の影響が強い。中部は、中国からの独立後に征服した地で、ベトナム独自の伝統を開花させた。南部は、征服したチャム文化を尊重し折衷様式を作り上げ、さらにメコン流域ではフランス植民地の影響による洋館とプランテーション群を建設した。全く異なる4つの農村集落、これは時代ごとのベトナムの心を私たちに見せてくれる。

カイベイ

備考:
『ホイアン国際フェスティバル』参加とハノイ・フエ・ホイアンといった世界遺産を巡るツアーなどが企画され、このようなツアーでは本文で紹介された4農村なども組み込まれており、簡単にベトナムの「人の住む文化遺産」の魅力を味わうことができます。(編集部注)


ベトナムの4つの世界遺産と伝統農村ドンラムを訪ねる

期間:2010年9月17日(金)〜9月23日(木)=7日間
旅行代金:(2名1室) 248,000円
一人部屋追加料金: 25,000円
食事:朝・5・昼・5・夕6回付
最少催行:15名
定員:25名
添乗員:現地事情に精通した『トンボの眼』編集室・佐々木章(一般旅行業務取り扱い主任者資格、旅程管理者資格保有)が成田より同行いたします。
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