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シンポジウム・『トンボ塾』案内

9月連続5回講座
律令制下に生きた男たちの万葉集

講師:山口博先生(聖徳大学名誉教授・富山大学名誉教授)
資料代:全5回8,500円 各回1800円(いずれも事前払い) 当日払い:2000円

 万葉歌人の多くは男性である。男たちは歌人という職業人であったわけではなく、東国の農民を除けばほとんどが律令官僚である。和歌本来の性格が相聞・恋歌にあるので、万葉集も恋歌・女性というイメージが強いが、男たちの世界が万葉集には展開している。恋愛歌集であるなら、女のための歌集であるなら、橘奈良麻呂の乱に際しての藤原仲麻呂や大炊王などの歌が存在するはずはない。無機的な史料からは読み取れない律令官僚であった男たちの生き様を、万葉歌に見つめる。「男たちの万葉集」である。


第1回 「過重労働で自殺か、班田調査官」

日時:2013年9月19日(木) 13:15〜15:00 (開場13:00)
会場:品川区立中小企業センター(品川区西品川1-28-3)
交通:JR大井町駅乗換え、東急大井町線各停一駅、下神明駅徒歩2分
地図:こちらの地図を参照ください

 天平元年、班田制をやる気満々の政府は、班田使を任命し施行細則も布告した。班田職のトップが長官で、最下級が史生である。この時に任命された万葉歌人は葛城王、笠金村、大伴三中、丈部竜麻呂の四人。長官葛城王は女に贈る芹を摘んでいた。その陰で折衝の最前線にいた調査官である史生の竜麻呂が自殺した。なぜ死んだのか。ブラック企業社員の自殺を想起させられるではないか。

第2回 「高句麗徳興里古墳壁画と七夕歌」

日時:2013年10月17日(木) 13:15〜15:00 (開場13:00)
会場:品川区立中小企業センター(品川区西品川1-28-3)
交通:JR大井町駅乗換え、東急大井町線各停一駅、下神明駅徒歩2分
地図:こちらの地図を参照ください

 高句麗徳興里古墳に七夕が画かれている。天漢を挟み、牽牛は立ち去り織女は見送る。河を渡ったのは牽牛であった。このモチーフは織女が渡河する中国七夕伝承や文学に遠く、万葉集の世界に近い。なぜ、織女渡河になったのか。日本に徳興里古墳壁画的発想が影響しているのか。七夕節会に万葉集律令官僚も七夕歌を作ったが、バラエティに富んだ七夕幻想を繰り広げる。中国、高句麗、日本の七夕伝承と文学を考える。

第3回 「大宰府官僚列伝」

日時:2013年11月14日(木) 13:15〜15:00 (開場13:00)
会場:品川区立中小企業センター(品川区西品川1-28-3)
交通:JR大井町駅乗換え、東急大井町線各停一駅、下神明駅徒歩2分
地図:こちらの地図を参照ください

 遠の朝廷といわれ、九州全体を統括し、外交を担う大宰府は、奈良の都に次ぐ地方大都市で、多数の万葉歌人が赴任する。山上憶良のような生真面目な者もいれば、大伴旅人のような飲んだくれもいた。酒に女に金、汚職に密輸出。都から離れ、しかも権力を持つ太宰府官僚の哀歓を「望郷列伝」「朋友列伝」「文苑列伝」「良吏列伝」「儒林列伝」「烈士列伝」「戦士列伝」「愛欲列伝」「酷吏列伝」として奈良から平安まで眺める。

第4回 「『週刊王朝』本日発売!”君と寝ようか、五千石取ろか”」

日時:2013年12月12日(木) 13:15〜15:00 (開場13:00)
会場:品川区立中小企業センター(品川区西品川1-28-3)
交通:JR大井町駅乗換え、東急大井町線各停一駅、下神明駅徒歩2分
地図:こちらの地図を参照ください

 遊女を愛し職を棒に振った旗本は、「君と寝ようか、五千石取ろか、何の五千石、君と寝よ」と唄われた。天平にも女のために五千石を捨てた男が何人もいるが、天平マスメディアを最も騒がせたのは、従四位下左大弁石上乙麻呂と故参議正三位藤原宇合の妻久米若売とのロマンス。この愛がなぜ刑に触れたのか。政治が絡む?乙麻呂は土佐に、若売は下総に流罪。天平シンガーソングライターは、近松張りに「お久米乙麻呂道行」を歌い上げた。

第5回 「『週刊王朝』本日発売!”百三十年前の浮気”」

日時:2014年1月16日(木) 13:15〜15:15 (開場13:00)
会場:品川区立中小企業センター(品川区西品川1-28-3)
交通:JR大井町駅乗換え、東急大井町線各停一駅、下神明駅徒歩2分
地図:こちらの地図を参照ください

 その男の在俗時の官姓名は、従四位上前尾張守、尾張・三河・信濃按察使笠朝臣麻呂、出家して造筑紫観世音寺別当沙弥満誓。代表作は世中の無常を歌った「世の中を何に譬へむ朝開き漕ぎ去にし船の跡なきがごと」で、俗界を超脱した高僧に思われているが、とんでもないことが露見した。寺婢を愛し子を生ませる女犯を犯した破戒僧だったのだ。バレたのは実に百三十年後。なぜ、どうして、誰が暴いたのか。その目的は?


山口博先生の横顔

 1932年生まれ。東京都立大学大学院博士課程修了。富山大学・新潟大学を経て、現在聖徳大学名誉教授・富山大学名誉教授。1985年から1年間、日本学研究センター(在北京)客員教授。文学博士。専攻は日本古代文学。

主要著書

 『王朝歌壇の研究』(桜楓社)、『古代文化回廊 日本』(おうふう)、『万葉歌のなかの縄文発掘』(小学館)、『万葉集の誕生と大陸文化』(角川選書)、『平安貴族のシルクロード』(角川選書)、『王朝貴族物語』(講談社現代新書) 最近刊 『こんなにも面白い日本の古典』(角川文庫)『創られたスサノオ神話』(中公叢書)など多数。


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