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シンポジウム・『トンボ塾』案内

山口博先生連続5回講座
『ユーラシアの民族により東へ運ばれた神話』

講師:山口博先生(聖徳大学名誉教授・富山大学名誉教授)
資料代:全5回8,500円(事前払)各回1,800円(事前払)2,000円(当日払)

 先のシリーズでは神話を運んだと考えられる民族、(1)スキタイ、(2)匈奴、(3)ツングース赫哲族、(4)ソグド人についての基本的な事柄を話した。今回のシリーズでは彼ら自身の神話及び彼らが関心を持ったと思われる神話について具体的に話す。前回終了後訪問したサンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館収蔵のスキタイ、ソグドその他の映像を使用予定である。


第1回 「スキタイは民族の起源神話を黄金の馬面に画き運んでいた!」

日時:2014年9月25日(木) 13:15〜15:15 (開場13:00)
会場:豊島区立勤労福祉会館(豊島区西池袋2-37-4)
※当初予定の品川区立中小企業センターより変更となっています。ご注意下さい。
交通:池袋駅西口より徒歩8分、南口より5分
地図:こちらの地図を参照ください

 エルミタージュ美術館の黄金特別陳列室にスキタイの黄金製馬面がある。蛇身女神が画かれ、黒海北岸ドニエプル川下流の出土ということは、ヘロドトス『歴史』でいうスキタイの始祖神話か。始祖神話を描いた金製碗もあるし、天から降ってきたという金製三種神器もかくやと思わせる金製碗や金装鉄製斧もある。天上からの降臨、三種神器、天上の神の子と地上の川の神の結婚など、高句麗や日本の神話のルーツを思わせるスキタイ始祖神話が特別陳列室に充満する。ゴリュトス(弓矢入れ)の飾板、盃、印章などにはギリシア神話も画く。スキタイは多くの神話を持って東西を駆け巡っていたのだ。

第2回 「文字がなくても画像と記憶力で神話を伝えた匈奴!」

日時:2014年10月16日(木) 13:15〜15:15 (開場13:00)
会場:豊島区立勤労福祉会館(豊島区西池袋2-37-4)
交通:池袋駅西口より徒歩8分、南口より5分
地図:こちらの地図を参照ください

 騎馬遊牧民匈奴はスキタイと同じく文字を持たない。それだけに画像に執着し記憶を大切にしたに違いない。ノヨン・オールからは、西方の神話か歴史を画いたフエルトが数点出土、エルミタージュ美術館に展示されている。ギリシア神話を画いた銀製円盤も出土した。ボグド-ウラの山腹「偉大なる天の谷」にはモンゴル人の始祖伝説との関係を思わせる岩画がある。
ブリヤート族の人間誕生神話は日本の国生み神話に似通うが、記憶に頼って語り伝えられたのか。ウランバートル郊外の巨石は、竜蛇退治の英雄に因んで語り伝えられ、スサノオ神話に流入する英雄叙事詩「ゲセル」は、並外れた記憶力を持つ吟遊詩人によって語り伝えられている。

第3回 「ツングース系民族英雄叙事詩が出雲神話に影響?」

日時:2014年11月13日(木) 13:15〜15:15 (開場13:00)
会場:品川区立中小企業センター(品川区西品川1-28-3)
交通:JR大井町駅乗換え、東急大井町線各停一駅、下神明駅徒歩2分
地図:こちらの地図を参照ください

 黒竜江(アムール川)沿いに居住するツングース系民族赫哲族のシャーマン叙事詩「伊瑪堪」は、不思議と出雲のオオナムチ神話と共通する要素が多い。垂直的宇宙観、樹根下界出入口、冥界訪問、イニシエーション、地下楽園、多妻、女の助力、無能な兄、鳥尽しの天語り等々である。「伊瑪堪」は現在も語部により語り伝えられている。
隅田八幡神社人物画像鏡銘文に名を残す今州利は「穢人」とあるから、ツングース系の穢族であろう。現在の黒龍江省から朝鮮半島北東部にかけて居住していた民族であり、赫哲族と重なる地域に住む。彼等によるシャーマン叙事詩の伝来が考えられるだろうか。訪問も困難な赫哲族の社会や「伊瑪堪」の語りの様子などを映像で紹介する。

第4回 「ソグド人は部屋一面に竜蛇退治の英雄伝説を画いていた!」

日時:2014年12月11日(木) 13:15〜15:15 (開場13:00)
会場:豊島区立勤労福祉会館(豊島区西池袋2-37-4)
交通:池袋駅西口より徒歩8分、南口より5分
地図:こちらの地図を参照ください

 エルミタージュ美術館の展示を見なければ、ソグド文化は語れない。圧巻はペンジケント遺跡の壁画約50点である。壁一面に画かれた英雄ルスタムの竜蛇退治の絵。西ユーラシアに生まれ東はスサノオに至る竜蛇退治神話の中間に位置する絵だ。ソグディアナに古くから伝わるシャウーシュ伝承を画いた「哀悼の図」もある。この神話は中国を経由して日本のアメワカヒコ神話を生んだと思われるのだが。インドのパンチャ・タントラの話を画いた絵、マハーバーラタの話の絵など、インドの説話も多い。月の女神を画いた壁画断片があるが、ソグド人はどのような月の神話を伝えていたのだろうか。エルミタージュ美術館はソグド文化の宝庫。ソグド文化の奥行きの深さを教えてくれる。

第5回 「朝鮮半島の神話にも西ユーラシアの影響が。」

日時:2015年1月29日(木) 13:30〜15:30 (開場13:00)
※当初予定の1月15日より変更となっています(11月26日現在)。ご注意下さい。
会場:品川区立中小企業センター(品川区西品川1-28-3)
交通:JR大井町駅乗換え、東急大井町線各停一駅、下神明駅徒歩2分
地図:こちらの地図を参照ください

 山上に降臨した天神の子が水辺の女性と結婚という始祖神話モチーフは、古朝鮮檀君、高句麗朱蒙、扶余国解夫婁、新羅南海次々雄、伽耶居登王等々に見られる。西の方ではウイグル、朅盤陀国もそうで、スキタイ祖神神話に行き着く。倭国の神話もこの系列である。神器の存在もスキタイと類似する。金海大成洞、釜山福泉洞各古墳の積石・木槨・刳抜式木棺形式はパジリク、サルビク、ベスシャトルなどの古墳に通じる。朝鮮半島にはスキタイ文化の影がある。
 5世紀、高句麗徳興里古墳の七夕伝説を画いた壁画はよく知られているが、奇妙な絵である。中国神話では天の川を渡るのは織女だが、壁画では牽牛で、逆である。なぜ織女は犬を引き連れているのだろう。七夕伝説とは別の要素が入っているらしい。被埋葬者、墓の建造者にも及ぶ問題である。


山口博先生の横顔

 1932年生まれ。東京都立大学大学院博士課程修了。富山大学・新潟大学を経て、現在聖徳大学名誉教授・富山大学名誉教授。1985年から1年間、日本学研究センター(在北京)客員教授。文学博士。専攻は日本古代文学。

主要著書

 『王朝歌壇の研究』(桜楓社)、『古代文化回廊 日本』(おうふう)、『万葉歌のなかの縄文発掘』(小学館)、『万葉集の誕生と大陸文化』(角川選書)、『平安貴族のシルクロード』(角川選書)、『王朝貴族物語』(講談社現代新書) 最近刊 『こんなにも面白い日本の古典』(角川文庫)『創られたスサノオ神話』(中公叢書)など多数。


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