中国の歴史書のうちでも、広く親しまれてきたのが西晋の人、陳寿の撰になる『三国志』。
魏・呉・蜀の抗争は演劇の題材ともなっています。なかでも三国志を構成する『魏書』には東夷伝があり、対馬国・一支国・伊都国・奴国、女王の都するところの邪馬台国など倭人のクニグニのことが記されています。「魏志倭人伝」として、とくにとりあげられることもあります。
2・3世紀の東アジアの政治・文化・社会に倭人はどのように向き合ったのでしょうか。時代は弥生時代から古墳時代への転換期です。
展覧会では、学史的な資料に最新の発掘調査による出土品を加えて、三国志の時代における日本列島の実像やさまざまな課題について示すことを目的としました。